いつの頃からか、メモ帳として測量野帳を使っています。
持ち歩く際にかさばらず、紙質も好みなので、さっと取り出して気持ちよく書き留めることができ重宝しています。
そんな測量野帳ですが、ふと思いたって水彩スケッチをしてみたところ、予想外に良くてビックリ。
というわけで、今回は野帳にスケッチ!と題して書いていきます。
水彩スケッチに関する情報のみでいい方は、もくじから
「2.測量野帳「スケッチ」にスケッチする。」と
「3.測量野帳に、実際にスケッチ(水彩)してみた感じ」へジャンプしてください。
もくじ
まずは測量野帳について。
測量野帳は、「そくりょうやちょう」と読みます。コクヨから発売されているロングセラー商品。
その名のとおり測量士さん用に作られたものですが、その使いやすさから、いわゆる手帳好きの間にも広く浸透した逸品です。
愛用者の間では、略して「野帳(やちょう)」と呼ばれています。
発売から60年を超えるそうですが、品質面の変更以外、デザインは変わっていないとか。
そのせいか、グリーンの表紙にレトロ感がただよいます。個人的に、この雰囲気がとても好きです。
罫線の種類によって3種類ある
- 「LEVEL BOOK(レベル)」
- 「TRANSIT BOOK(トランシット)」
- 「SKETCH BOOK(スケッチ)」
の3種類があります。
定番は、表紙がグリーンで、罫線はブルー。私はもっぱら、定番・グリーン表紙の「スケッチ」 を愛用しています。
「スケッチ」 にはカラフルな表紙のものや、罫線が薄いグレーのビジネス仕様のものがあったり、
「レベル」 には耐水カバーつきやPP表紙のものなど(紙質も違う)、ラインナップはいくつかあります。
限定品もあったりします。
3種の違いは、罫線にあります。「レベル」と「トランジット」は、それぞれ高さと角度を測る測量方法のこと。
薄赤の罫線仕切りも含めて、それぞれの測量データを現場でも書きやすいように作られているそうです。
「スケッチ」 は、3mm方眼紙。その名のとおり、スケッチするには他の2種よりもこれが良さそうなこと、また小学生の頃から方眼紙が好きなこともあり、わたしはこれ一択でした。
ノートによくあるヘッダーの余白、方眼紙の場合は個人的に不要派なので、野帳の方眼罫は紙の端まできっちりある点も好みです。
罫線の色がもう少し薄いといいなと思うこともありますが、じゅうぶん満足して使用しています。
ビジネスシーン向けの野帳であれば、罫線の色は薄いのですが(但し、ブルーでなくグレーです)、定番のものに比べると、扱うお店が限られています。
個人的には欲しいときにサッと買える手軽さを含めて、やはり定番がベストだと思っています。
サイズ
サイズは、外寸で16.5cm×9.5cmとコンパクト。厚みも0.6cmという薄さで、手軽に持ち歩けるサイズ感がよく、メモしたい瞬間を逃しません。
表紙
表紙は硬く、クニャクニャしません。これこそが、測量野帳の大きな特徴といえます。外でも、立ったままでも、書きやすい&描きやすい!
紙の質感
すべりがいい上質紙で、サラサラとしたかき心地です。
私はメモには鉛筆(シャーペン)を好んで使っていますが、野帳の紙質とシャーペンの相性がこれまた好みで、気分よく書き進めることができます。ノンストレス。
ちなみに、シャーペンの芯は三菱ユニ ナノダイヤのBを使っています。 HBを使うようになりました。(※2023年時点)
ロングセラーの測量野帳はファンが多く、万年筆ユーザーも多いようです。
自身は使ったことがありませんが、裏抜けしにくそうではあります。それくらい、しっかりした紙質です。
測量野帳「スケッチ」にスケッチする。
こうして何年も”メモ帳”として測量野帳の「スケッチ」を使ってきたのですが、ある時ふと、「これで水彩スケッチって出来るのかな」と思い立ちました。
すでにそう使われている方もいらっしゃったと思いますが、わたしにはその考えがよぎらなかったのです。
しかし、思い立ったら即実行です。そうしたら、これがいい。いえ、とてもいいのです。
いい点は、以下のとおり。
- さらっとした紙質なので、水性ペンがなめらかに走り、絵を描くことが気持ちいい。
- 意外と水分をはじかず、透明水彩絵の具のノリがいい。
- 着彩後、乾いた紙のちょっとパリっとした感じが、なんだかいい。
透明水彩絵の具を使うので、耐水性の水性顔料インクのペンを使っています。
さらっとした紙質なので、水性ペンがなめらかに走り、絵を描くことが気持ちいい。
シャーペンとの相性もいい野帳の紙質は、水性顔料インクペンと紙の相性もまたよくて、とにかく絵を描くのに気分がいいです。
ペンは、ほぼコピックマルチライナーを使って描いています。
初めのころは、少しペンが滑りすぎるような気もしたのですが、ほんの一瞬でした。感覚がわかり、慣れれば大丈夫です。
意外と水分をはじかず、透明水彩絵の具のノリがいい。
絵の具で着彩するにあたり、野帳の紙質では水分をはじいてしまのでは?と予想していましたが、意外とそんなことはなくてビックリしました。
水分量のコントロールは必要ですが、まったく難しい話ではありません。
ペンもなめらかに走りますが、同様に絵の具の筆も、すべるように進むのです。その感覚がユニーク!
これまで描いてきた紙とは、筆に感じる感覚がまったく違うことがおもしろく、すっかりハマりました。
さらっとスケッチしたい人には、おすすめの手帳だと感じました。
着彩後、乾いた紙のちょっとパリっとした感じが、なんだかいい。
水彩絵の具で着彩するので、水分量を減らしているとはいえ、多少は紙が濡れます。
とはいえ水分が少ないため、すぐに乾きます。そうして乾いたあとの紙が、ほんの少しだけ波打って、パリっとした感じになるのです。
そんな水彩スケッチのページが重なってきたとき、パリっと感を感じながら一冊の野帳をめくっていくのが、秘かな楽しみです。
測量野帳に、実際にスケッチ(水彩)してみた感じ
実際に描いたものがこちら。意外と透明水彩絵の具が、ちゃんとのっていることを見ていただければと思います。
はじめのころは、紙質と水彩絵の具の相性がわからず、恐る恐る着彩していました。
そのため、インクが無くなりかけたペンを使ったのか?と感じるろうな着彩になっていました。
一枚目の蓮の絵が、まだ水分量になれていない絵です。葉っぱの筆のあとが、それを物語っています。
慣れてくると、さじ加減がわかり楽しくなりました。
左側は白紙ページですが、その裏側(1ページ前に戻ったところ)にはスケッチをしています。うっすら透けて見えるのが、わかりますか?
インク(水性顔料インク)も、水彩絵の具も、裏抜けしていません。
さいごに│野帳で気軽にスケッチを
測量野帳は、1冊40枚(80ページ)あるのですが、厚みが0.6cmととても薄いです。
16.5cm×9.5cmのサイズ感と、0.6cmという薄さですから、いつでも持ち歩けます。
スケッチブックやノートだと、どうしてもかさばり持ち歩くには難しい場合がありますが、測量野帳なら「いつでも」が、わりと叶います。
とりあえず野帳とペンだけカバンに入れておけば、描きたい時にサッと描けます。着彩は自宅ですればOK。
お手頃価格なのもうれしいです。気軽にスケッチ、測量野帳から始めてみるのはアリではないでしょうか。